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たこのすけ
駆け出し登山家
30歳から登山デビュー。いつか百名山の制覇を目指し奮闘中。

【連載・UL登山の食事】第1回:軽量&栄養満点の山ごはんレシピ

目次

はじめに

登山を楽しむ皆さん、こんにちは。山登りでは装備の軽量化が重要なテーマですが、食事に関しても同様です。軽い装備は体力の節約につながり、安全で快適な登山をサポートします。しかし、軽量化を追求するあまり、栄養が不足してしまっては本末転倒です。

今回は、UL(ウルトラライト)登山に限らず、全ての登山者に役立つ軽量で栄養満点な山ごはんレシピを2つご紹介します。どちらも簡単に準備でき、山の中で手軽に栄養補給ができますので、ぜひ試してみてください。


軽量化と栄養補給の両立

軽量化と栄養補給を両立するポイント

軽量化栄養補給を同時に達成するためには、戦略的な計画と工夫が必要です。以下に、そのポイントを詳しく解説します。

1. 高カロリー・高栄養密度の食材を選ぶ

  • エネルギー密度の高い食材:重量あたりのカロリーが高い食材を選ぶことで、持ち運ぶ重量を最小限に抑えつつ、必要なエネルギーを確保できます。※おすすめ食材は本記事で紹介しています🐙
  • :ナッツ類、チョコレート、ドライフルーツ、オリーブオイル
  • 栄養密度の高い食材:ビタミンやミネラル、タンパク質などを豊富に含む食材を選ぶことで、少量でも必要な栄養素を摂取できます。
  • :オートミール、乾燥大豆ミート、高野豆腐、プロテインパウダー

2. 乾燥・フリーズドライ食品の活用

  • 軽量化:水分を除去した乾燥食品やフリーズドライ食品は、重量を大幅に減らせます。
  • 保存性:長期保存が可能で、品質劣化が少ない。
  • 栄養価の保持:フリーズドライは栄養素を損なわずに保存できるため、栄養補給に最適。

3. 調理法と燃料の効率化

  • 調理不要または簡易調理:お湯や水を注ぐだけで食べられる食品を選ぶと、燃料や調理器具の重量を削減できます。
  • 燃料の節約:調理時間を短縮することで、持参する燃料の量を減らせます。

4. パッキングと容器の工夫

  • 軽量な包装材の使用:食品保存袋やアイラップなどの軽量で耐久性のある袋を使用。
  • 再利用可能な容器:スクリュータイプの密閉容器など、軽量で密閉性の高いものを選ぶ。
  • 個別包装の見直し:市販品の個別包装を取り除き、必要な分だけ持参することで重量とゴミを削減。

5. 食材の多用途化

  • 一つの食材を複数の料理に活用:オートミールを朝食のオーバーナイトオートミールだけでなく、昼食やおやつにも利用。
  • 調味料の工夫:シンプルな調味料で味に変化をつけ、多様な食事を楽しむ。

6. 食事計画の最適化

  • 必要量の正確な計算:自分の消費カロリーを把握し、必要な食料量を過不足なく計画。
  • 食事タイミングの調整:エネルギーが必要なタイミングに適切な栄養を摂取することで、パフォーマンスを維持。

7. 脂質の活用

  • 高エネルギー源としての脂質:脂質は重量あたりのカロリーが高く、持久力を要する登山には有効。
  • :ナッツ、オリーブオイル、チーズ
  • 適切な量の摂取:消化に時間がかかるため、摂取タイミングや量に注意。

8. サプリメントの活用

  • ビタミン・ミネラルの補給:マルチビタミンなどのサプリメントで不足しがちな栄養素を補う。
  • 軽量化:必要な栄養素を少量で摂取できるため、重量を抑えられる。

9. ゴミの最小化

  • ゴミの重量も軽量化の一部:パッケージを事前に取り除き、持ち帰るゴミを減らすことで、帰路の負担を軽減。
  • 環境への配慮:ゴミを減らすことは自然環境の保護にもつながる。

10. 個人の嗜好と体質に合わせる

  • 食べ慣れた食材を選ぶ:消化不良やアレルギーを避けるため、自分に合った食材を選択。
  • 食欲の変化に対応:高山では食欲が低下しがちなので、食べやすいものを準備。

具体的な戦略例

  • 高カロリー食材にオイルをプラス:例えば、料理にオリーブオイルを加えると、少量でカロリーを増やせます。
  • 自作エネルギーバーの活用:オートミールやナッツ、ドライフルーツを組み合わせて、自作のエネルギーバーを作る。
  • プロテインの導入:水に溶かすだけでタンパク質を補給できるプロテインパウダーを活用。

注意点

  • 水分補給の計画:乾燥食材は水分を必要とするため、水の確保を事前に計画。
  • 食材の安全性:高温や低温で劣化しやすい食材は避け、保存性の高いものを選ぶ。
  • バランスの維持:極端に特定の栄養素に偏らないよう、全体のバランスを考慮。

おすすめ食材

アルファ米

おすすめポイント

  • 軽量で長期保存可能:水分が除去されているため、軽くてかさばらず、賞味期限も長い。
  • 調理が簡単:お湯や水を注ぐだけで炊きたてのご飯のような食感が得られる。
  • エネルギー源として優秀:炭水化物が主成分であり、登山中のエネルギー補給に最適。
  • バリエーション豊富:白米だけでなく、モンベルのリゾッタなど美味しい味付きのものも増えている。

乾燥大豆ミート

おすすめポイント

  • 高タンパク・低脂肪:植物性タンパク質が豊富で、脂質が少ないため健康的。
  • 軽量で保存性が高い:乾燥しているため軽く、長期保存が可能。
  • 食感が良い:戻すと肉のような食感になり、食べ応えがある。
  • 栄養バランスの向上:必須アミノ酸や鉄分、食物繊維も含まれており、栄養補給に役立つ。

オートミール

おすすめポイント

  • 栄養価が高い全粒穀物:食物繊維、ビタミンB群、ミネラル(鉄、マグネシウムなど)が豊富。
  • 低GI食品:血糖値の上昇が緩やかで、エネルギーが持続しやすい。
  • 調理が簡単:お湯や水で戻すだけで食べられるため、調理時間と燃料を節約。
  • 軽量でかさばらない:乾燥していて軽く、パッキングしやすい。

高野豆腐

おすすめポイント

  • 高タンパク・高カルシウム:植物性タンパク質とカルシウムが豊富で、筋肉の修復や骨の健康に寄与。
  • 軽量で保存性が高い:乾燥食品のため軽く、長期間保存が可能。
  • 味が染み込みやすい:戻すと味をよく吸収するため、少ない調味料でも美味しく食べられる。
  • 調理が簡単:お湯や水で戻すだけで使用できる。

おすすめレシピの紹介

私が実際の山行で作るレシピを紹介します。私にとっては定番メニューとなっています。

レシピ1:アルファ米にオートミールと乾燥大豆ミートを追加した栄養満点ごはん

材料(1食分)

  • アルファ米(白米):1袋
  • オートミール:約30g
  • 乾燥大豆ミート:約30g
  • 出汁の素:小さじ1/2
  • 熱湯または水:適量
  • アイラップなどの耐熱食品保存袋:1枚

作り方

1.事前準備

  • アイラップなどの耐熱食品保存袋に、アルファ米、オートミール、乾燥大豆ミート、出汁の素をすべて入れます。
  • 袋の口をしっかりと閉じ、持ち運びます。

2.食事時の準備

  • 袋に熱湯または水を注ぎます。材料がすべて浸る程度の量を目安にしてください。
  • 袋の口を再度しっかりと閉じ、内容物が均一になるように軽く揉みます

3.待つ

  • 熱湯の場合:約15分待ちます。
  • 水の場合(夏場など):約1時間待ちます。行動中に水を入れておくと便利です。※私の場合、テント場に到着する1時間ほど前に水を入れておき、シェルター設営後すぐ食べられるようにしています。

4.食べる

  • 袋の口を開け、そのままスプーンなどで食べます。食べ終わった後は袋を捨てるだけでOKです。

ポイント

  • 栄養バランスの向上
  • 炭水化物(アルファ米、オートミール)、タンパク質(乾燥大豆ミート)、食物繊維(オートミール)を一度に摂取。
  • ミネラルビタミンB群も含まれ、エネルギー代謝をサポート。
  • 調理の手軽さ
  • 熱湯または水だけでOK。燃料の節約になり、調理器具も最小限で済みます。
  • 登山スタイルに合わせて、お湯を使うか水を使うか選べます。
  • ゴミの削減と後片付けの簡略化
  • アイラップなどの食品保存袋を使用することで、クッカーを汚さずに済みます。
  • 食べ終わったら袋を畳んで持ち帰るだけなので、ゴミの量を最小限に抑えられます。
  • クッカーを使わないため、洗い物や拭き取りの手間が省け、トイレットペーパーなどの消耗品も節約できます。

実際の山行でのメリット

  • 軽量化:乾燥した食材を使用するため、重量を抑えられます。
  • 時間の有効活用:行動中に水戻しを行えば、テント設営後すぐに食事ができます。
  • 環境への配慮:ゴミの量が少なく、自然に優しい登山を実現。

レシピ2:オーバーナイトオートミールで栄養たっぷりの朝食

材料(1食分)

  • オートミール:約50g
  • ナッツ類(アーモンド、クルミなど):適量
  • ドライフルーツ(レーズン、クランベリーなど):適量
  • プロテインパウダー(お好みで):1スクープ
  • ミルクパウダーまたは豆乳パウダー:大さじ1
  • :適量
  • スクリュータイプの密閉容器または耐熱食品保存袋

作り方

1.事前準備

  • 容器にオートミール、ナッツ、ドライフルーツ、プロテインパウダー、ミルクパウダーを入れ、よく混ぜます。

2.水を加える

  • 就寝前に、水を材料が浸る程度注ぎます
  • 容器の蓋をしっかりと閉じます。

3.一晩置く

  • テント内や涼しい場所で一晩置きます

4.朝食に

  • 翌朝、容器の蓋を開けてそのまま食べられます。
  • お好みでハチミツやシナモンを加えても美味しいです。

ポイント

  • 朝の時間短縮
  • オーバーナイトオートミールなので、朝食の準備が不要。すぐにエネルギー補給ができます。
  • 朝の出発準備に時間を割くことができ、早めのスタートが可能。
  • 栄養価の高さ
  • オートミールで炭水化物と食物繊維、ナッツで良質な脂質とタンパク質、ドライフルーツでビタミンとミネラルを摂取。
  • プロテインパウダーを加えることで、筋肉の修復や疲労回復をサポート
  • 調理不要で軽量
  • 火を使わないため、燃料の節約に。
  • 乾燥した食材のみを使用するため、重量が増えません

実際の山行でのメリット

  • エネルギッシュなスタート:栄養満点の朝食で体力と集中力を維持。
  • 荷物の軽量化:食材と調理器具の軽量化により、全体の装備を軽く。
  • 環境への配慮:調理による燃料消費を減らし、自然に優しい。

まとめ

登山において、軽量化と栄養補給はどちらも欠かせない要素です。今回ご紹介した2つのレシピは、その両方をバランス良く実現するものです。

  • アルファ米+オートミール+乾燥大豆ミートのごはんは、食事の満足感と栄養補給を同時に叶えます。
  • オーバーナイトオートミールは、朝の時間を有効活用しつつ、1日の活動に必要なエネルギーを提供します。

どちらも簡単に準備でき、山の中で手軽に栄養を摂取できます。ぜひ次回の山行で試してみてください。


おわりに

装備の軽量化と適切な栄養補給を工夫することで、登山はさらに楽しく、快適になります。自分自身の体力や嗜好、登山計画に合わせて、最適なバランスを見つけましょう。

ご質問や感想がありましたら、ぜひコメント欄でお聞かせください。一緒に登山の楽しさを広げていきましょう!


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この記事を書いた人

・都内在住の30代男性
・登山暦は5年未満
・日帰り〜2泊の山行がメイン
・目標は百名山踏破

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