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たこのすけ
駆け出し登山家
30歳から登山デビュー。いつか百名山の制覇を目指し奮闘中。

超軽量シェルター「ストックシェルター2G」を徹底レビュー:UL登山の強力な相棒

目次

はじめに

皆さん、テント泊登山での荷物の重さに悩んだことはありませんか?特にUL(ウルトラライト)装備を目指す登山者にとって、装備の軽量化は永遠のテーマです。しかし、軽量化を追求すると、居住性や快適性とのトレードオフが避けられない場合もあります。

今回ご紹介する「ストックシェルター2G」は、そんな悩みを抱える登山者にとって非常に魅力的なギアです。ただし、このシェルターは非常に癖のあるギアでもあります。結露の発生、前室のなさ、居住空間の狭さ、そして雨天時には使用が難しいといった大きすぎるデメリットがあります。

しかし、これらの特徴を理解し、使いこなすことで、強力な味方となることは間違いありません。

この記事では、私自身の経験を交えながら、このシェルターの魅力と注意点を徹底的に解説します。癖のあるギアだからこそ、使いこなせば得られるメリットも大きいものです。UL登山の新たな相棒として、「ストックシェルター2G」をぜひ知っていただきたいと思います。


驚異の軽さ:実測209gのシェルター

まず何と言っても、このシェルターの軽さが最大の魅力です。実際に計量したところ、本体はわずか209g、ペグを追加しても合計252gでした。一般的なソロテントが1kg前後であることを考えると、その軽さは圧倒的で、バックパックの重量を大幅に削減できます。

軽量化がもたらす恩恵

  • 体力の温存:長時間の登山でも疲労が溜まりにくくなります。
  • 行動範囲の拡大:軽い装備であれば、より長い距離や高度差をカバーできます。
  • 安全性の向上:疲労による判断ミスを減らし、リスクを低減します。

UL装備を追求する私にとって、この軽量性は非常にありがたいポイントです。


設営・撤収が簡単:2~3分で完了

登山中、疲れた状態でのテント設営や撤収は意外と負担になります。しかし、「ストックシェルター2G」は設営・撤収ともに2~3分あれば十分です。

設営が簡単な理由

  • トレッキングポールを活用:行動中に使用するストックをそのままポールとして利用します。
  • シンプルな構造:パーツが少なく、複雑な組み立てが不要です。
  • ペグダウンは2か所のみ:前後の2か所を固定するだけで自立します。

設営手順

  1. ストックをセット:シェルターの頂点部分にストックのグリップを差し込みます。
  2. アイレットに固定:ストックの先端をシェルターサイドのアイレットに固定します。
  3. ストックを合掌型に:ストックを逆V字に組み、シェルターを支えます。
  4. ペグダウン:シェルターの前後2か所をペグダウンして固定します。

このシンプルな手順で、初心者でも簡単に設営が可能です。


シングルウォールのトレードオフ:結露や居住性について

このシェルターはシングルウォール構造のため、以下のようなデメリットがあります。

  • 結露の発生:内部と外部の温度差により、結露が発生しやすいです。
  • 前室のなさ:荷物を置くスペースがなく、装備の管理に工夫が必要です。
  • 居住空間の狭さ:寝るだけのスペースであり、窮屈に感じることも。
  • 雨天時の使用制限:完全防水ではないため、豪雨時には注意が必要です。

これらをカバーする工夫

  • 結露対策
  • 換気の確保:入口のファスナーを少し開けて通気性を向上。
  • 吸湿性の高いインナーシーツの使用:結露による湿気を吸収。
  • 荷物の保護
  • 防水カバーやスタッフバッグの活用:装備を雨や湿気から守る。
  • 必要最低限の装備の持ち込み:シェルター内には貴重品や就寝に必要なものだけ。
  • 雨天時の計画
  • 天気予報の確認:悪天候が予想される場合は山小屋を利用。
  • シェルターの設営場所の選択:水はけの良い場所を選ぶ。

強風にも対応:実体験からの信頼性

「軽量だけど風に弱いのでは?」と思われるかもしれません。しかし、四隅をしっかりとペグダウンすることで、強風にも十分耐えることができます

実際のエピソード

  • 蝶ヶ岳ヒュッテでの一夜:風速10~15mの強風下でも安定。
  • 設営場所の工夫:風下側に入口を配置し、風の影響を軽減。
  • ペグの選択:強度の高いペグを使用し、しっかりと固定。

私自身、このシェルターで何度も強風下でのテント泊を経験しましたが、一度も大きな問題は起こりませんでした。


実際の使用シーン:高山でのテント泊体験

北アルプス縦走での活躍

先日、北アルプス・パノラマ銀座の縦走路を歩いた際、このシェルターが大いに役立ちました。

  • 行程:燕岳から大天井岳、常念岳を経て蝶ヶ岳〜上高地までの3日間。
  • 軽量性の恩恵:長い距離と累積標高差を軽装で快適に移動。
  • 設営・撤収のスピード:早朝出発時にも時間を節約できました。

高山病対策にも

  • 軽量装備による負担軽減:体力の消耗を抑え、高山病のリスクを低減。
  • シェルター内の暖かさ:コンパクトな空間が体温保持に役立ちました。

使用時の注意点とコツ

設営場所の選択

  • 地形を活かす:岩陰や木々の間を利用して風を避ける。
  • 水はけの確認:雨天時に水がたまらない場所を選ぶ。

設営時のポイント

  • ペグダウンの確実性:土質に応じてペグを選択し、しっかり固定。
  • ストックの調整:ストックの長さを適切に設定し、シェルターの張りを調整。

その他の工夫

  • 就寝時の快適性向上:エアマットや快適性の高いシュラフを使用。
  • 装備の最適化:必要最低限の装備に絞り、軽量化を追求。

他のシェルターやテントとの比較

一般的なソロテントとの比較

  • 重量差:ソロテント(約1kg)に比べ、約750gの軽量化。
  • 居住性:ソロテントは快適だが、その分重量増。
  • 設営時間:ストックシェルター2Gは設営が非常に速い。

他のULシェルターとの比較

  • 価格面:高価なULシェルターに比べ、手頃な価格。
  • 設営方法:トレッキングポールを利用するため、追加のポール不要。
  • 耐久性:素材が強く、長期間の使用にも耐えられる。

このシェルターが適している登山スタイル

  • UL(ウルトラライト)登山者:装備の軽量化を追求する方。
  • 長距離縦走やトレイルランニング:軽装備での長時間行動が求められるシチュエーション。
  • ソロハイカー:一人用のシェルターを探している方。
  • 緊急時の備え:コンパクトで軽量なため、非常用シェルターとして持ち運び可能。

まとめ:癖を理解すれば強力な相棒に

「ストックシェルター2G」は、その軽量性と機能性でUL登山者にとって強力な味方となります。しかし、結露や居住性の問題など、癖のあるギアであることも事実です。

総合評価

  • 軽量性:★★★★★
  • 設営・撤収の容易さ:★★★★★
  • 居住性:★★☆☆☆
  • 耐候性:★★★☆☆
  • コストパフォーマンス:★★★★☆

これらの特性を理解し、工夫して使いこなすことで、このシェルターはあなたの登山体験をより豊かにしてくれるでしょう。


製品情報まとめ

  • 商品名:ストックシェルター2G
  • 重量:本体209g(実測)、ペグ含め合計252g
  • 素材:高強度10デニールナイロンミニリップストップ・防水透湿PUコート
  • カラー:クレセントゴールド

最後に

軽量装備の追求は、登山の可能性を広げ、新たな冒険への扉を開いてくれます。しかし、それは同時に装備の特性を深く理解し、自分自身のスタイルや目的に合わせて選択することが重要です。

「ストックシェルター2G」は、癖のあるギアではありますが、その軽さと機能性は他に代えがたい魅力があります。結露や居住性の課題も、工夫と慣れによって十分にカバーできます。

これからもこのシェルターとともに、未知の山々に挑戦し、新たな景色や体験を求めていきたいと思います。皆さんも、ぜひ自分に合った装備を見つけて、快適で安全な登山を楽しんでください。


関連情報

よくある質問

Q1:結露がひどいと聞きますが、対策はありますか?

A1:結露はシングルウォールの宿命ですが、換気を良くすることで軽減できます。入口のファスナーを少し開けたり、設営場所を風通しの良い場所に選ぶと効果的です。

Q2:雨の日でも使用できますか?

A2:小雨程度であれば問題ありませんが、豪雨時には水が染み込む可能性があります。ストックを差し込むフロアのパーツに穴が空いていますのでこれは避けれません。完全防水ではないため、天候によっては山小屋の利用も検討してください。

Q3:耐久性はどうですか?

A3:素材は高強度のナイロンを使用しており、適切に扱えば長期間使用可能です。ただし、極薄素材のため、鋭利なものに触れないよう注意が必要です。グランドシートは必須といって良いでしょう。(これは他のテントも同じですね。)

おすすめの組み合わせ装備

  • 防水シュラフカバー:結露対策として防水のシュラフ、またはシュラフカバーが必要です。
  • 防水スタッフバッグ:装備を整理しつつ、防水対策にもなります。

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この記事を書いた人

・都内在住の30代男性
・登山暦は5年未満
・日帰り〜2泊の山行がメイン
・目標は百名山踏破

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